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2013/05/03

未来は、過去からのレールの上にはない


今から12年後の、2025年。

どんな世界になって、

私たちは、一体どんな人生を歩んでいるだろうか。
(なんと私は47歳。ギャッ!!)


数々の環境変化を産業革命にまでさかのぼって分析し、
有能なアナリストたちとタスク・フォースを組み、
そこから考えられる2025年の社会と、
そこに生存する人々の生き方・働き方を細かく描いている本です。


ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉
リンダ・グラットン 池村 千秋

プレジデント社 2012-07-28
売り上げランキング : 285

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はじめは、
映画のようなSF混じりの物語に過ぎないんじゃないかな
と思っていました。
それはそれで娯楽としていいかな、と。 面白いお話は嫌いじゃないし、、

しかし、そんな楽観的に受け止められる本ではありませんでした。

それは、 著書の正直な意図に、深刻な真剣さを見たからです。

「未来の世界を予測することに意味があるのかと、疑念がわくときもある。
 それでも研究を進めるほど、この作業に大きな価値があると確信するようになった。
 あなたが、私が、そして私たちの大切な人たちが適切な選択と決断をするためには
 なんらかの現実的な未来像をもっておくことが欠かせないからだ。」

こう語る著者は、リンダ・クラットンさん。
ロンドン・ビジネススクールの教授で、経営組織論の世界的権威です。
リンクの表紙イメージにもある通り、
イギリスのタイムズ紙では
「世界のトップビジネス思想家15人」のひとりに選ばれています。



実は、この帯を取ったあとの本の表紙には、

孤独。。
貧困。。。

こういう暗い言葉が、2025年を予測するキーワードとして並んでいます。


どんな2025年になっていたとしても、
私たちが、真に自分の人生に意義を見出し
幸せに生きるには、幸せになるための働き方をするには、
どうしたら良いのか。

著者は、三つの”シフト”が必要という提言をしています。

① ゼネラリストから「連続スペシャリスト」へ

② 孤独な競争から「○○」へ

③ 大量消費から「○○」へ

私は、①の「連続スペシャリスト」案に最も頷きましたし、
「あ、私もかなりヤバイ・・・」と、冷や汗が流れました・・・。



というのも私自身、以前のPostした「いま、そこにある貧困」にも
労働の空洞化について書いたのですが、

この空洞化は、私が思う以上に、
極端に格差を作りながら進みそうだというのがわかったからです。


自動化されるような仕事はロボットやIT(コンピュータ)が請け負い、
誰がやってもいいような仕事は、(その時点で)自国よりも人件費の安い国へ出されます。

非常に高度な技能が必要とされる仕事と、
誰でもできるけれども、地元に長くい続けなければ出来ない仕事だけが残ります。
(エリア縛りの仕事ですね)

その中間、つまり、事務職や
低いレベルの管理職はすべてなくなってしまうのです。


これらは夢物語ではなく、必然的に起こる変化でしょう。

「起こってから考えよう」というEvent-Driven的な発想ではなく、
来るべき変化に備え、今から準備しておく必要性が高い話だと思います。
どういう技能を身に付け、どんなマインドで生きていくべきなのか、

そのヒントを、この「ワーク・シフト」から得ることが出来ます。



しかし、そのヒントを得るのは、本を読めば誰でもできます。

実際に、シフトを「する」「しない」というのは、
あなた自身の選択です。
その選択をした結果起こることは、自分自身が負うしかありません。

 時代の流れがそうだから、
 メディアがそう言っているから、
 有名な人がそう言っているから、

という理由で選択するのではなく。

自分にとって何が本当の「価値」なのか、
 自分が「幸せ」であるというのはどういうことなのか。

それがわからない限り、「シフトする選択」を実行には移しても
自分の幸せはわからないと思います。



「なべの中のカエルと同じように、私たちは仕事の世界で
 『気づかないうちに積み重なる既成事実』に慣らされてはいないか」

作者が作中でこう表現したように、
いまの会社や働き方になんとなく漠然とした不安を持っているけれども、
現状はどうせ変わらないことを根拠なく信じている働き盛りのサラリーマンの方に
特にオススメしたい本です。
(すごくピンポイントな対象者でスミマセンが(笑))

あ、3つのシフトのうち、
②と③のシフトのタイトルについては
Amazonの「なか見!検索」で見れますので
気になる方は是非チラ見してみてください。





今回は、Kindle Paperwhiteで読みました(^^)
Kindleで読むと、どこでも気軽に一緒に持ち運べるので、
読み終わるのが早い気がします。
心なしか、1ページ読み終わるスピードも速くなっているかも?


予定調和への反抗

「予定調和」に、反抗したい。
最近の欲望です。

でも日常生活の中を振り返ると、予定調和が、すごく多いです。



予定調和とは、計画通りにきれいに終わる、ということです。

会社のミドル層の人々は
「よし、シャンシャンだな」と言ったり
「これは出来レースだから」と言ったりします。そう、あの瞬間ですよ~。

「出来レース」なんて言葉は特に、皮肉というか、
自嘲の感情が入っている言葉のようにさえ私は感じます。

心の中では、「ホントはかっこ悪いんだけどさ」 と
言葉にならない前置きがついてるような気がしてなりません。

とはいえ、「安心」なんですよね。
予定通りに終わると・・・。ホッとしますよね。



だからこそ、平穏こそ幸せ、という価値観を否定する気は
もちろんないのです。





では、「予定調和」から敢えて外れてみると、
どんなことが起こるのでしょう?

仕事だったら、打ち合わせや商談、
セミナーやプレゼンテーション。
プライベートではデートや女子会とか。合コンとかも?



なんでもいいんですけど、想像してみてください。




以前、仕事でこんなことがありました。

私は、お客様のところに打ち合わせに行く前には必ず、
「こう進めよう」、「この言葉を頂けるようにしよう」、という「シナリオ(腹案)」を作っています。

シナリオと言っても、セリフがビッシリ書かれている台本ではありません。
抑えどころ(ポイント)と、話の流れだけを想定しておく、というイメージです。

一人で打ち合わせに臨むときは、
自分とお客様との間の距離を縮めて、
密な空気の中で話を進めるのが好きなのですが、


私のほかに同行者がいる場合は、そういうわけにはいきません。


先日、上司と一緒にお客様のところを訪問したのですが
事前に話し合っていたシナリオや段取りを
最初から無視して
予定していなかったストーリーで話を進めはじめたのです。



『ちょっとちょっと、昨日の作戦会議はなんだったのよ・・・』 と、
思わず裏切り者のように感じてしまいました。

私にとっては、ある意味「予定調和」でなくなってしまったわけです。
打ち合わせ終了直後は、なんともいえない、
まるで上司が24のジャック・バウワーのように見えたものですが、
(この例えはわかりにくいか、、笑)


実はこのときの打ち合わせ。
予定調和が裏切られたことにより
私が想像していた以上の、「前向き」な結論が得られたのです!!

もちろん、結果論かもしれませんが。

この結果に戸惑ってしまったと同時に、
予定調和に無意識にこだわりすぎている自分に
気づいたのです。



打ち合わせのシナリオを考える際に、
予定調和に敢えて反抗してみた場合を想像してみると、
セカンドシナリオも考えやすくなりました。

複数のシナリオを用意しておいて、
当日のお客様の動向や、顔色を見つつ、
チョイスすればよいのです。
そうすると、想像以上の結果が生まれたりします。


こんなこと言えないな・・けど、敢えて言ってみたり。
失礼にあたるから、聞くのはやめてみよう、、でも今日は敢えて聞いてみたり。

「予定調和に反抗する」

これによって生まれる可能性は、無限大です。

失敗も無限大だけど(笑)、だからこそ面白いと私は思います!

2013/05/01

ことばは不自由、だからこそ、生み出す価値がある。

ことばの展覧会。

かれこれ13年前のこと。

ことばの持つインパクトをアートにした作品に
夢中になって、
買った展覧会本。


こんどはことばの展覧会だこんどはことばの展覧会だ
水戸芸術館現代美術センター

三修社 1994-10
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初版は1994年なんですね。
私の手元にあるものは、真っ白な表紙がだいぶ黄ばんでしまっている・・(汗




年齢不問
テーマは問わず
ひとり一点まで
日本語なら30文字以内

この条件で、
全国から集まった873点が、すべて収録されています。


こんな風に…


30文字以内の言葉が・・・


アートになる!


一つ一つ見ても面白いし、
まるで作者の心情が手に取るようにわかっちゃうのもあれば、
何じゃ、これ!なものまで、色とりどりです。


TwitterやFacebookが市民権を得て
いまは、ことばの発信に対する敷居は
ものすごく、低くなりました。

そのぶん、

うぅっ!!

と心を鷲掴みされることばに出会う確率は、

ことばの母数が多いので

準じて、低くなりますよね。。



こうして、一語一語を絞り出しつつ

はたまた、ピカーンと閃きながら


大切に生み出されたことばたちを見ていると、


ことばの可能性を再認識します。



もっと、絞り出したい!!
この喉から、手から、身体全体から!!


読んでくださっているあなたに、
伝わりますように。





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