今から12年後の、2025年。
どんな世界になって、
私たちは、一体どんな人生を歩んでいるだろうか。
(なんと私は47歳。ギャッ!!)
数々の環境変化を産業革命にまでさかのぼって分析し、
有能なアナリストたちとタスク・フォースを組み、
そこから考えられる2025年の社会と、
そこに生存する人々の生き方・働き方を細かく描いている本です。
ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉 リンダ・グラットン 池村 千秋 プレジデント社 2012-07-28 売り上げランキング : 285 Amazonで詳しく見る |
はじめは、
映画のようなSF混じりの物語に過ぎないんじゃないかな
と思っていました。
それはそれで娯楽としていいかな、と。 面白いお話は嫌いじゃないし、、
しかし、そんな楽観的に受け止められる本ではありませんでした。
それは、 著書の正直な意図に、深刻な真剣さを見たからです。
「未来の世界を予測することに意味があるのかと、疑念がわくときもある。
それでも研究を進めるほど、この作業に大きな価値があると確信するようになった。
あなたが、私が、そして私たちの大切な人たちが適切な選択と決断をするためには
なんらかの現実的な未来像をもっておくことが欠かせないからだ。」
こう語る著者は、リンダ・クラットンさん。
ロンドン・ビジネススクールの教授で、経営組織論の世界的権威です。
リンクの表紙イメージにもある通り、
イギリスのタイムズ紙では
「世界のトップビジネス思想家15人」のひとりに選ばれています。
実は、この帯を取ったあとの本の表紙には、
孤独。。
貧困。。。
こういう暗い言葉が、2025年を予測するキーワードとして並んでいます。
どんな2025年になっていたとしても、
私たちが、真に自分の人生に意義を見出し
幸せに生きるには、幸せになるための働き方をするには、
どうしたら良いのか。
著者は、三つの”シフト”が必要という提言をしています。
① ゼネラリストから「連続スペシャリスト」へ
② 孤独な競争から「○○」へ
③ 大量消費から「○○」へ
私は、①の「連続スペシャリスト」案に最も頷きましたし、
「あ、私もかなりヤバイ・・・」と、冷や汗が流れました・・・。
というのも私自身、以前のPostした「いま、そこにある貧困」にも
労働の空洞化について書いたのですが、
この空洞化は、私が思う以上に、
極端に格差を作りながら進みそうだというのがわかったからです。
自動化されるような仕事はロボットやIT(コンピュータ)が請け負い、
誰がやってもいいような仕事は、(その時点で)自国よりも人件費の安い国へ出されます。
非常に高度な技能が必要とされる仕事と、
誰でもできるけれども、地元に長くい続けなければ出来ない仕事だけが残ります。
(エリア縛りの仕事ですね)
その中間、つまり、事務職や
低いレベルの管理職はすべてなくなってしまうのです。
これらは夢物語ではなく、必然的に起こる変化でしょう。
「起こってから考えよう」というEvent-Driven的な発想ではなく、
来るべき変化に備え、今から準備しておく必要性が高い話だと思います。
どういう技能を身に付け、どんなマインドで生きていくべきなのか、
そのヒントを、この「ワーク・シフト」から得ることが出来ます。
しかし、そのヒントを得るのは、本を読めば誰でもできます。
実際に、シフトを「する」「しない」というのは、
あなた自身の選択です。
その選択をした結果起こることは、自分自身が負うしかありません。
時代の流れがそうだから、
メディアがそう言っているから、
有名な人がそう言っているから、
という理由で選択するのではなく。
自分にとって何が本当の「価値」なのか、
自分が「幸せ」であるというのはどういうことなのか。
それがわからない限り、「シフトする選択」を実行には移しても
自分の幸せはわからないと思います。
「なべの中のカエルと同じように、私たちは仕事の世界で
『気づかないうちに積み重なる既成事実』に慣らされてはいないか」
作者が作中でこう表現したように、
いまの会社や働き方になんとなく漠然とした不安を持っているけれども、
現状はどうせ変わらないことを根拠なく信じている働き盛りのサラリーマンの方に
特にオススメしたい本です。
(すごくピンポイントな対象者でスミマセンが(笑))
あ、3つのシフトのうち、
②と③のシフトのタイトルについては
Amazonの「なか見!検索」で見れますので
気になる方は是非チラ見してみてください。
今回は、Kindle Paperwhiteで読みました(^^)
Kindleで読むと、どこでも気軽に一緒に持ち運べるので、
読み終わるのが早い気がします。
心なしか、1ページ読み終わるスピードも速くなっているかも?
0 件のコメント:
コメントを投稿